パタヤにおける洗練とは?(その2)
となりが空き家になったのだが、最近、新しい入居者が入った。
妙に気取ったカップルである。あまり若くはない。どうやら、どこかのマーケットでなにやら売っているらしく、軒先にはやたらとガチャガチャ物を置いている。
そして、若い衆が出入りしては夜な夜な表で宴会をしている。
Jはそんな彼らをどうも苦々しく思っているようで、あまり挨拶もしないし(先方もしないが)、決してよく言わない。
カップルは妙に(?)色白で、オンナの方はお出かけにパステルカラーのテンガロン・ハットを被ってしまったりする。中古と思しきシビックに乗っている。
集まる若者たちもギターを弾いたり(ドへたくそ)、近所を気にせずにかける音楽もタイ・ポップスではなく洋楽である。
そんな都会っぽい(?)さまが田舎者のJには気に入らないのだろう(笑)。
しかも、色が白い。
色が白いと「負けた」と思うらしい。バカですよね。
でも、これはアジア全般に広がるどうしようもないコンプレックスなのだ。白人往来以前からの因習である。
一ヶ月、日本に滞在していて色の抜けたおれにも「ロー」を連発し「ジェラス・ユー」という。
もうすでに黒くなってますけど。
そんなわけでせいぜい背伸びして、「お水のキレイなオネーサン」にしかなれないJにとって、彼らみたいなタイプはゆがんだコンプレックスによる、やっかみの対象なんでしょうかね。
でもね、彼らにしたってどうしても野暮ったいわけで、そんなに気にすることはない。まして、ただの露天商だぜ。
といっても、そうコトは単純ではないようだ。
Jの妙な対抗意識は単なる近親憎悪のような気がする。
それより性質が悪く、どうしたってダサダサな成金どもがうじゃうじゃいるというのに。
さて、そんなことを考えていた昨晩、Jの友人のDがバイクで仕事帰りの深夜、酔払い運転に当てられたというので、様子を見に行った。
まあ、大した事なくて一安心。
彼女は韓国カラオケで働き、無能な元薬売りの兄ちゃんを養っている。
彼らの住むアパートは、カラオケ嬢とそのヒモだらけ。おれたちの間では「アパートメント・カラオケ」ということになっている。
一室、1,300バーツのアパートの廊下。

なぜか、タイ人は魚をコギレイに飼うのが好きだ。ほかにコギレイにするべきことがたくさんあると思うけど、まあ、プライオリティはヒトそれぞれですからねえ。
こんなアパートにも、しかもなぜか廊下にいくつも水槽が置いてある。


おれにとって、タイ人も外国人も区別のない洗練された「パタヤン」には、いまだ出逢えていない。ここは、タイにあってタイにあらず。しかし、もっともタイらしいところ。
タイのヒモもね、イマイチなんですよね。いいカンジのヒモに逢ってない。
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タイ人の弱点
タイ人は炎天下に出ない。
日差しが強いとオンモで遊べないヒトたちだ。
生まれたときから酷暑の亜熱帯に暮らしていれば当たり前といえば当たり前だが、パタヤでも日中は人通りが少ない。

(ファランに連れられていやいや歩くオンナ)
それでも炎天下で働かざるえない階級のヒトたちだけが、行きかう。でも、そんなヒトたちもけっこう、盗人のようないでたちで日焼けを嫌っていたりする。
それは、見た目にはオモロイが潔さがない。
まあ、だからといってファランのようにどこでも半裸で現れるのもね。先日、バンコクバンクに半裸でしかも刺青のファランが真っ黒いオネーサンを連れて入ってきたときは、まあ、潔すぎるなと思いました。
Jももちろん、あまり表に出たがらない。
おれがちょっとどこかへ行ってくるというと、すぐ「パイ・ドゥワイ」というのだが、そのくせ、暑いだの「あんたと一緒にいるようになって黒くなった」だのうるさい。
そんなJが今日は日中から出かけようという。新ハリウッドの受付譲として働きたいと言い出し、履歴書を提出に行った。
なんと、履歴書は工事現場で受け付けている(笑)。

(右端の白いポロシャツのヒトが応募受付の担当者)
キャッシャーのポストは空いているが、受付は応募多数だという。給料は安いが、けっこうチップがいい収入になるらしい。
まあ、書類提出したときに「えっ、29歳?」と苦笑されたらしいから、きっとダメでしょうけど。
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おれの知ってるタイの男たち
交友範囲が狭いので、おれの知ってるタイの男というと、通っているジムに来る連中が主だ。

ジムは一回30バーツ。月払いなら400バーツの格安。
もちろん、器具は古びているし、壊れたまま放置されているものも多数ある。エアコンなどもちろんない。みな、半裸で鉄の塊を上げ下げしている。
でも、おれはここが好きだ。
来る連中はほぼ固定されていて、会話を交わさなくとほとんど顔見知りである。ジムのレベルから押して知るべく、通っている連中もいかにもタマダーなヒトたちばかり。バイタクのドライバー、近所のタラーの惣菜屋、ゴーゴー・ボーイもいる。中東風のひげを気取ったムスリムもいる。「ぼくのお父さん、日本人。大阪にいる」というオニイチャンもいる。それ以上、日本語で会話しようとしてもほとんど出来ない。当然、父ちゃんには会ったことがない。
「誰ですか? 生ませっぱなしは(笑)」
たいていみな、刺青を入れている。
しかし、タイ人の刺青、しょぼいのが多いですよね。よく入れるなって…。彫りかけで止まったままのヤツもいる(笑)。
おれは意地っ張りで見栄っ張りの江戸っ子(?)だから、ここに来る連中が好きである。
だって、なにはなくとも、とりあえずカラダは鍛えている。その意気地だけはあるのだ。
この国、巷にはダラダラのヤツがあふれている。カラダも表情もダラダラだ。
それに比べると、連中は厳しい表情をしてる。毎日、こんなところで鉄の塊持ち上げて「フーッ、フーッ」いうのは、思いのほか、ズクがいる。継続は力なりなのだ。
それってこの国の連中にもっとも欠けているものだと思ったりするが、少なくともここに来る連中にはそれがある、って褒めすぎか。たかが筋トレだぜ。
ところで、最近、空がキレイです。
秋の空ってカンジだけど、乾季の訪れってことですよね。

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鉢合わせ…マッサージ嬢のアパート編
いま、某MPで働くAがうちに来ている。
ちょっとうんざり、しかし、ちょっと自慢げに語るところによると…彼女に熱を上げるふたりの男性が彼女のアパートメントで鉢合わせ。
先に来ていた男の方をトイレに隠し、なんとかその場をしのいだそうだが、そんなことっていまだ現実にあるんですね。
先に来ていたのは、タイ人の男。おれも一度会ったことがある。
ちょっとデブでめがねで、でも色白の小柄な男。
かれは妻子持ちで、とあるコヨーテパブの共同出資者なのだが、Aに熱を上げ、まあ、彼女の足となり、お飾りとなり、お財布となっている。
金を持っていることが唯一、救いのタイプだ。
そして、後から来た男。かれは台湾人。パタヤより東に行った街で働いている台湾企業の駐在員。こちらも妻子があるらしい。
このところ、Aの上客である。
前日、かれはMPを訪れ、Aに一言の確認もなく、連れ出し料を支払いAをラヨーンに連れて行こうとした。が、Aがへそを曲げ、結局、車でAをアパートに送ることになった。
アパートの場所を知った彼は、いてもたってもいられず、今日、押しかけてきたというわけだ。
「愛してる」を連発するらしい。「妻子を捨てる覚悟」だらしい(笑)。
しかし、一度、香港人と付き合って、結局、捨てられる目に遭っているA(それがきっかけで彼女はMPで働き出した)は、外国男を信用しない。おれに関しても、Jのいうところでは常にネガティブ・キャンペーンを張っているそうだ(Jがおれに報告するAの言い分は、それはそれで当たらずも遠からずなのだが)。
ブイブイいいながらも、けっこう、真剣に悩んでいるA。
Aはどちらかというと完全に割り切っているタイプであるにもかかわらずだ。悩んでいるのは小金持ちタイ人に対してではなく、台湾人に対してらしい。
気持ちを摑んだのだから、うまくやって得るもの得ればいいのに…。カモがねぎ背負って、ご丁寧に鍋まで用意してくれているようなもんだ。
しかし、彼女は自分の気持ちがオトコに傾くのを極度に恐れている。そう、しょせんプロになり切れない多くのタイお水たち(例外もいるでしょうが)。
カラダを売っているといっても、そう簡単に割り切れるものでもないようで、普段はその背伸びがウザイAだが、今日はすこし彼女のことがかわいく思えた。
思うに、その台湾男、けっこういい男なのかもしれない。まあ、堕ちてく自分に酔いたいのでもないのなら、アタマ冷やして妻子は捨てない方がいいと思うけど。
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黄色テントの市場にて
今日は午後4時から9時半まできっちりJのたこ焼き屋に付き合った。
売り上げは42パックで840バーツ。
日本人の女性が来た。
だんながオーストラリア人で彼女はかの地に住んでいるという。だんなの同僚の奥さんがタイ人でパタヤが実家。妻同士も仲がいい。んで、彼女の家に遊びに来たそうだ。
「日本人もお金のためにファランと結婚するんだ」と冗談を言うJ。たとえ冗談だとしても、そんな冗談を思いつくセンス、染み付いた何かを象徴している。
若いイタリア人が来た。イサーン出身のタイ女性に連れられて。
タイ語ができる。イサーン語もできる。4年も彼女と住んでいるそうだ。なにをしてんだろう?
「彼、タイ語を話すのが好きなの」とイサーン・オンナがいう。彼、英語はろくに通じなかった。
いかにもイタリアっぽい女性への献身性と土着性とを兼ね備えていて、ローカルのタラー(市場)にまるで違和感なく存在していた。
たこ焼き屋の斜め向かいの青いマンゴーを切り売りする店。ほとんど売れない。最近、蒸しとうもろこしも売り始めた。その店の中年女性はかつて日本に出稼ぎに行っていたそうだ。3ヶ月のビザで入国し、10ヶ月後、強制送還された。怪しい日本語を話す。
おれには東京ドームで働いていたといっていた。
Jにしきりといろいろな質問を浴びせる。
Jに彼女が言うところ、実は売春業で日本に行ったそうだ。ショートで2,000バーツ、泊まりで8,000バーツだったらしい。が、ブローカーに100万バーツの借金があったので、ほとんど貯金は出来なかった。
そんな話を臆面もなくJにする。
「あんた、日本に連れて行ってもらいなさいよ」。
Jを同業と思っていなけりゃゼッタイ、口にしないハナシだ。
先日も来た日本人の夫(パトロン)を持つオンナとその姉が来た。こちらはかなり日本語がうまい。いかにもサービス業で鍛えたように、会話もこなれておれにまで甘えるような日本語を話す。彼女はおれたちが「お遊び」か投資の演習でたこ焼き屋をやっていると思っている。
これまた、Jは自分と同じ、日本人で食ってるオネーサンだと思ってる。
日本人を狙うオネーサンとその甘い罠にはまったオトコ。その関係性しか彼女には想像できない。
なんだか、象徴的なヒトばかりが今日は現れて、たこ焼きを焼きながらナチュラル・ハイになってしまいそうだった(笑)。
おれはなぜ、ここでこんなことをしているのか、よくわからない。いまや特に理由もないのだ。飽きたらやめるだろうし、こんなナチュラル・ハイが得られるうちはまだやるだろう。
だから、彼女たちがこうである理由や意味もあまり問う意欲はない。ただ、具体的なことに興味があるだけだ。
こんなとき、どっか冷静になってJのことも思う。「詰めが甘い」と。
前述のイサーン・オンナはもしかしたらイタリア野郎の生まれながらのフェミニズムとマザコンにメロメロなのかもしれない。そんなタイ女がいたっていい。
確かに、おれだってその辺のオトコよりは金持ってるだろうが、せいぜい、たこ焼き焼く程度だし、ひとつところに留まれない風来坊なのだ(笑)。Jがそんなオンナだと困る。
もちろん、おれは天性のスケコマシ・イタリア人(?)でもない。
それなのに「いま、幸せ!」とか「赤ちゃんが欲しい」とか言われるとゾッとする。まあ、コドモはね、ペットの延長みたいな感覚だから深刻に捉える必要はないんだろうが…。
Jの友人のAも詰めが甘い。
今日、彼女にメロメロの台湾人がまた来たそうだ。
http://pattayadiary.blog123.fc2.com/blog-entry-31.htmlお風呂屋で「おれのこと、愛してるか?」と涙ながらに詰め寄られ「ごめんなさい。愛せないわ」といったらしい。
JはAを「冷たい」といって非難する。台湾人が「ナーソンサーン」だと。
おれはAが正直すぎると思う。台湾人を救ったと思う。
打算的なオネーサンなら「あたしも愛してるわ」と言うに決まってる。いや、言うべきだ。前述の日本人にくっついているオンナならカルク言うだろう。
「でも、あたし、こんな仕事だし…」といい、「おれが面倒見るから仕事をやめてくれ」といわせ、「でも、貧しい父と母が…」といい、「心配いらない」といわせるべきだ。
「愛せない」といわれた台湾人のオトコは、ベットの上で吸っていたタバコを手の甲に押し当てて、うつむいたまますることもせずに帰っていった。
まあ、素直に「愛せない」といってくれるタイの風俗嬢に惚れた幸運を彼は感謝するべきだね。
タイの庶民社会はオンナの社会だ。
オンナたちが好悪は別にして観察対象として面白いのに、オトコはどうもぱっとしない。
市場の向かいの屋台。てきぱきと料理するオバサンの横にまるで拗ねた中坊のようなおっさんがぼんやり座っている。彼がするのはせいぜい米を研ぐことぐらい。
オバサンが料理にてんてこ舞いの最中、ぬっと立ち上がり、彼女の前に手を出しあごをしゃくる。オバサンが20バーツ渡す。かれはコンビニに入っていき、コーラとレッド・ブル(リポビタンDのようなもの)を買ってきて、けだるそうに飲んでいる。
Jの友人のUのだんな。
すったもんだの末、5年連れ添ったふたりは別れることになった。
彼女もだんなもそれぞれ子がひとりいる。お互いコドモは実家に預け、二人でパタヤでクイッティアオ屋を始めたが、場所を仕切るやくざ(ケーサツ)の嫌がらせなどもあり、うまく行かなくなってしまった。借金を抱えることになり、Uはお風呂屋で働き出した。ふたたびふたりでクイッティアオ屋を始めるために。
すでに34の歳にしてお風呂屋でがんばるUだが、夫はギャンブルに酒に金遣い荒く、しかも、ジャドゥカーンに嵌っていて何千バーツもするそれをほいほい買ってくる。
先日、友人が集まってふたりの別れの酒盛りが彼らのアパートで行われた。そのとき、だんなが自慢の収集品の中からおれにジャドゥカーンをひとつくれた。名前は忘れたが香石が使われていて良い薫りがする。たまたま、おれはその日、ジャドゥカーンをぶら下げていて、Jが話のネタに「このヒト、ジャドゥカーンが好きなの。あなたの見せてあげて」と彼に振ったのだ。
そんなこといわれたら、ひとつやらないわけにはいかないのは、情況とオトコのタイプからして明らかなのに、そういうことには腹立たしいくらいJは鈍感だ。
彼がくれたジャドゥカーン。

ちなみにおれのジャドゥカーン。
Jが買ってくれたのだが(おれの金だけど)、ぶら下げて出かけるとやたら恥ずかしがる。

ところで、彼女はまた店を始めれば、だんなも立ち直ってくれると信じていた。
しかし、先日、夫がバイクを勝手に売って、その20,000バーツを一晩で使い切ってきたことで堪忍袋の緒がまさしく切れたらしい。離婚を迫り、殴られても翻意せず、渋る夫に「20,000バーツで別れてくれ」といった(オトコはそれで承諾したそうだ)。
なんだか、ハナシがそれてしまったが、今日、市場で思ったことでした。
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Cheer Leader選手権(?)
「パタヤ・ヌアにあるBIG-Cでたこ焼きを売ってるよ」とJの友人から電話。
こりゃ、偵察が必要だってことで、カメラを持って出かける。
ところが、なんのことはない。出店ではなくてお惣菜でした。
言わずもがな、まずい。そのくせ5個入り35バーツ。

ああ、おれたちはとってもうまい(?)たこ焼きを4個20バーツで売っているのに…。黄色テントの市場の位置と客層を呪うが、ま、タマダー相手の商売と決めたので(?)しょうがない。
そう、昨日はホント、市場には閑古鳥がまさしく鳴き、どの店もまったく低調。
うちは33パックで660バーツの売り上げ。そんな日もありますわな。
さて、BIG-Cでは、なんとCheer Leaderのコンペが行われていました。実況を聞くJの通訳によると、なにやら王様の妹だかなんだかが主催する選手権の地方選で各県の高校代表が集まっているとのこと。

とある高校の引率は何とレディーボーイ。市民権得てますなあ。

しかし、こんな催しを学校の校庭ではなく、BIG-Cのイベント広場でやってしまうところが可笑しい。

しかも、パタヤである。
まるで、未来のオネーサン予備軍をファランに見せつけて、タイに縛り付けてやろうという魂胆ではないだろうか…なあんてうがった想像をしてしまうほど、大胆かつ戦略的な催しだ。
そして、やっぱり金縛りにあってるやからがたくさんいた(笑)。



ファランにしたら、東洋人そのものが実年齢より若く見えるだろうし、タイのオネーチャンは頭の中もかなりオコチャマだし。
目の前で踊るのはモノホンのハイ・スクール・ガール(オトコもいるけど)。ロリコン気があったらたまらないでしょうけどね。



このオジサマたち、フツーのお客さんたちに混じって、圧倒的に不気味でした。
完全に虜の目をしてる。
もしかしたら、ほんとにタイ人って知恵の働くしたたか者なのかも(笑)。これがカタチだけとはいえ植民地化を逃れたタイの底流に流れる「ナニか」の一端なのかも。
きっと「マイ・ペン・ライ」とかいって、ここでやることにしたんだろうけど、そんなことまで妄想してしまった。
ちなみにダンスは大した事ないですよ。
ダンスのBGMはまるで「GOGO?」っていうような洋楽でした。やっぱ、確信犯か?!
写真ばっかでスミマセン。
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子沢山は貧乏の象徴か
市場にはとにかく子供が多い。
お母さんたちはみな、子連れで店を切り盛りする。そんなお母さんたちは得てしてリッパな体格をしているのだが、おれが思うに売り物の残り物を食うからだと思う。

残り物じゃなくてもお母さんたちが売り物を頬張っているのをよく見る。
Jもたこ焼きの残りを食う。下手すりゃ一日に5個も10個も食ってるだろう。
おれが「そんなに食うとあのお母さんたちのようになるぞ」といっても、「シアダーイ」といってきかない。
小遣いをせびる。彼女、粘土細工の塗り絵が大好きでおれや、Jにもせびる。

タイ人はホント、子煩悩で放任しながらもよく面倒を見る。
そして、あたりにゴロゴロいるこどもたちの存在って、よしにつけ悪しきにつけ、社会の強度のバロメーターになるような気がする。




お母さんたちがJに「あんた、コドモ欲しくないの?」なんて訊いてる。
「欲しいんだけど出来ないの」とJ。
おれは単に欲望に流されてのことだが、彼女は子づくりのための「生中」なのだ。
おそろしい…。
しかし、おれは種無しか?
おばちゃん「不思議と生活に困ってないような人たちはなかなか子供が出来ないのよ。あたしらみたいに貧乏だと欲しくなくてもポンポン出来ちゃう」なんていってる。
おれたちは余興で「たこ焼き屋」をやってると思っているのだ。
「まさか、ジープンがタラーで」なんて冗談にしかならない。
おばちゃんの一言は、どこか真実を突いている。
ただし、「貧乏」だからではなく「生きるために生きるヒト」だからだ。
「意味という病」(そんな本がありましたな)に取り付かれたり、迷ってしまったりしているおれのような人間には、滅亡がプリセットされているのかもしれない。
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アライ・コ・マイ・ルー
Jが市場から帰ってきて片付けを手伝ってから遅い夕食を買い物に付き合う。
最近、「何か書かなきゃ」という裡なるプレッシャー(?)があるので、カメラを持ってついていったのだ。
「電線が汚ねえなぁ」とか、「犬もボロボロだぁ」などと独り言を言いながら、つまらない写真を撮りつつ、屋台から離れてJを待つ。


屋台のオバチャンたちは深夜、突然、カメラを持って現れたおれを、まさかJの連れとは思わない。
「あの外人、なんの写真撮ってんだかね」などといっている。
そのうち、オバチャンの屋台を撮りだしたおれ。

「きっと、新しくカメラ買ったんで見せびらかしたいんでしょ」と呆れ顔(その発想、とてもタイ人らしい。「機能」ってもんにはまるで敬意も関心もない)。
「まあ、なんだかよくわからないね(アライ・コ・マイ・ルー)」
そこで、オバチャンたちを前にJが一言。
「あんた、なに撮ってきたのよ?」
おれは「犬」と答えて、さらにふらつく。

おれたちの会話に驚いたオバチャンは、なんだかしどろもどろになってしまって、お惣菜は落とすわ、ゴムはうまくかけられないわ、「気の毒なくらいだった」とは、帰り道、バイクで爆笑するJの談。
その後、取り繕うような、とってつけの質問攻めにあったらしい。
「どうして『そうなんですよ、今日、カメラ買ったばかりで得意なんです』って言ってやらなかったんだ」と茶化すと、「少しは恥かいたほうがいいのよ。次は余計な無駄口たたかないでしょ」だと。生意気だ(笑)。
ところで、タイ人、ビニール袋の使い方がうまいですね。なんでもビニール、ポリティン。もちろん、使い捨て。
だから、ゴミだらけ。
今日の晩御飯。70バーツ。

展開すると、こんなカンジになります。

ところで、たこ焼きですが、今日は売り上げが復活し41パック販売で820バーツでした。
しばらくは辛抱強く続けてみないとわかりませんね。
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SirとMr
セントラル・パタヤのカルフールにある「94℃ Coffee」という店でのこと。
けだるそうなネエチャンに注文を告げ、「テイクアウトでお願い」(タイではTake Awayといってます)といってカウンターの前で待つ。最初、カップを用意したネエチャンは半ば舌打ちするように紙コップを取り出す。
そこに立派な肥満体の白人が登場。
ネエチャンの顔がご主人様を迎える子犬のように輝く(笑)。
「Good Morning, Sir. May I help you, Sir?」
かれはダブル・エスプレッソを注文。Take Awayで。でも、「カップはフツーのコーヒー用の大きいサイズにしてくれ」などという。
彼女、コロコロ走り回る犬のようにうれしそうだ。
「カップはこちらでよろしいでしょうか、Sir」なんていってエスプレッソ用とコーヒー用のカップをそれぞれかざし、確認までしている。
おれは少し離れて横目で彼女の様子を眺めていた。
どうやらおれのコーヒーが入ったようだ。
「Mr, Mr.Please」と呼ばれて、コーヒーを手渡された。
おれ、英語に堪能ではないから、SirとMrの違いをきちんと把握しているわけではない。
でも、見事な使い分けだと思った。
紋切り型に「土下座した根性は立ち上がれない」(金子光晴)というのは簡単だ。もちろん、全東洋はおろか、西洋以外全世界が精神的に西洋に土下座した400年である。仕方ない。独立を保ち続けていたタイといったって、そんな形式上のハナシに意味はない。
日本でだって、西洋人以外の「外人」はきっといろいろいやな思いをしているだろう。
インドだって同じだった。イギリス植民地だったところは得てしてコンプレックスと自尊が捻じ曲がってよけい扱いにくい。タイの方がシンプルな分、悲哀より可笑しさが募る。
しかし、一方で、アラブやペルシアではあまりこんな目には遭わない。彼らの意地がそうさせるのか?
タイだってご立派なところではこんなことはないのだろう。でも、こんな事実もある。
同時に「ファラン」=「理解不能」みたいな感覚も根強い。
なかなか考えさせられることだ。
今日はJを送ってからカルフールでコーヒーを呑み、バリハイに行ってみました。
案の定、灯篭の残骸がこんなカンジ。

ここは新宿中央公園か?

最近、陽射しは強いけど、すがすがしい気候です。
空気も海も青い

ちょっと行くとヘリポートなんぞがありました。
なかなか眺めがいい。


こんなこじんまりしたビーチで本でも読むのも良いなあ。

12月1日、2日はジェットスキーの大会があるらしいです。

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ヒモっていう稼業
先日、紹介したJの友人Uのだんな。
http://pattayadiary.blog123.fc2.com/blog-entry-48.htmすでにふたりは離婚の手続きを済ませ、Uはふたたび元気に(?)働き出し、だんなは2万バーツを手にバンコクへ出たそうだ。
しかし、頻繁にUに電話をかけてきては恫喝したり泣きついたり、なかなかしつこいらしい。
離婚を期にだんなについてUも知らなかった事実も判明した。
なんと、このオトコ、前妻も結婚後、お風呂屋に沈めているのだという。
Uはもともと風俗稼業の娘ではなかった。貧しくても健全に(?)屋台で働く娘だったのだ。しかし、だんなと結婚後、屋台がうまく行かなくなり、再起を図るために32歳にしてはじめてお風呂屋で働き出した。だんなの勧めだったそうだ。
その後、離婚に至るまでの2年、だんなはUの稼ぎで悠々自適の生活をしてきた。
そのだんな。華奢なオトコだがイケメンである。34歳。

よく知っているヒトタチの写真は面が割れないようにしているのですが、離婚したし、バンコク行っちゃったらしいし、まあ、時効でしょう。
しかし、最近、ネットをしているとJが「ナニ書いてるの?」ってうるさい。
文章はわかりっこないので安心だが、写真をいちいちチェックする。
ところで、かれはさらにその前も風呂屋で働く娘の部屋に転がり込んでいる。
彼の作るクイッティアオはうまいらしいが、どうも怪しいな。イマイチ信用できない。
このカオ、この雰囲気、こいつは天性のヒモだろう(?)。
いやー、たこ焼き焼きながらJから「実はね…」ってカンジでこの話を聴いたのだが、なんか感心してしまった。帰ってきてしげしげと写真を眺める。
日本にもこういうヤツはいるんだろうが、おれの人生ではじめてこういうヤツを知った。
そういえば、2度ほどたこ焼き屋に顔を出してくれた大阪に日本人のだんな(パトロン?)を持つ日本語ペラペラのオンナがまた来た。
なんと、ボーイ・フレンドを連れて。もちろん、日本人ではありません。浅黒いガタイのいいタイ人。よく、おれの前に堂々と連れてくるよ。
ナニ考えてんだ、この娘は。
夜の街で働くヒトタチってのはよくわからん。まだ、イマイチ摑みきれない…。
今日の売り上げはしょぼしょぼ。
5時から8時半で23パック。460バーツでした。
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可哀相に…
たこ焼きの売り上げはさっぱり伸びないのに、このブログ、昨日のアクセス数が異常だ。カウンターが300を超えている…。
それはうれしいことだが、なんかちょっとこわい気もする。なにがってよくわからないが、あんまり注目されるような「できた生活」ではない。
たこ焼き屋は27パックで540バーツの売り上げ。
それもこのブログを見て、日本の方がおふたりも繁華街から遠いソイ・ヌンパブワンまで足を運んでくれた上でのこと。
四郎さん、KOさん、どうもありがとうございました。
Jは「あんた、ホントに日本人なんだ」とジョークをかましながら「インターネットってすごいね」としきりに感心する。
ローカルのタラーに次々日本人が現れるので周囲のおばさんたちも、いつもにも増して、鵜の目鷹の目である。
ところで、おれが長らくお二人と話しこんでいる間、彼女には不快な出来事があったようだ。
以前、同居までしていたカラオケ時代の同僚で、その後、リッチなボーイ・フレンドを掴まえJを見下すようになったオンナがたこ焼き屋の前を通過した。その際、これ見よがしな(?)無視を決め込まれたらしい。
「リッチな」彼氏は、パタヤ・ヌアのBIG-Cのマネージャーだそうだ(それってリッチなのか?)。もちろん、タイ・ハイソ三種の神器である車も持っている(笑)。
ヒジョーに癪に障ったらしくて、家に帰ってきてからも「悔しい、悔しい」とうるさい。
「可哀相に…」とおれは相槌を打つ。
「そうでしょ、あたし可哀相でしょ!」
「いや、その友達が」
「なんでよ!」
Jいわく、その彼女、ボーイ・フレンドを掴まえた後、Jと気まずくなる前に「あんた、車も持てないなら、わたしたち、友達ではいられないわ」といったとかいわないとか。ほとんどギャグか、べたべたな少女漫画の世界だろ、それじゃ(笑)。
ますます、おれは「ナーソンサーン」とつぶやく。
「あたしがでしょ!」
「いや、その友達…」
まあ、そんなことにこだわり続けるなら、Jもじゅうぶん「ナーソンサーン」だが。
その彼女、悲惨過ぎて、言葉もない。
しかし、「これがタイの現実なんだなあ」としみじみ思う。おれが身を寄せたオンナもその価値観にどっぷり浸かって生きている。
おれは彼女にとって、「見下される存在」から「見下す存在」へと移行する乗り物なのだ。
でも、たこ焼き屋だが(笑)。
ふと思う、「おれたちも友人の懐具合をこんな風に気にして生きてきただろうか?」と。
日本にもそういう世界がきっとあるのだろう。最近じゃ、上流下流とか言うらしいし。
こんなことに出会うと、なにもかもどうでもよくなってくる…。
おれはただの風来坊でいいのだが、それでも、日本人というレッテルやその他もろもろのおれを表徴するモノは、時に、おれをある階級に位置づけ、ある性格を設定して止むことがない。
誰もが、どこまで行っても逃れきれない。
話は変わって今日の晩飯。
市場に新しく南部料理の屋台が出た。中央のカレーみたいな2品がそれ(サラダは違います)。

むちゃくちゃ辛かったが、インド料理と相通じるものがあってうまかった(40バーツ)。
ところで、昨晩、パタヤ・ヌアのバービア群で火事があったらしいです。
詳しいことはわかりません。Jの友人が電話してきて知りました。
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キーワードは「Up to You」
その場しのぎの発言が多いタイ人。日本人からしたら「嘘をついた」とか「だました」ということになるんだろう。当の本人はそんな大それた下心もなく、ただ、めんどくさくてそう言ったに過ぎなかったりする。もちろん、大いに下心がある場合もある。
その場しのぎの発言はタイに限らない。
だから、おれは、自分の存在にかかわることに関して、いつも自分の目で確かめることにしている。確かめて見て、当の発言者が正しいことがわかる場合もある。それならそれでいい。
でも、自分の目で確かめる。
南アジアでもそうしていた。そのときはおれの職能に関わることであり、飯の種であったからだ。
旅をしているときもそうしている。なぜなら、おれの選択はおれの生死に関わるからであり、選択の根拠を他人にゆだねることはしたくないからだ。
確かめるズクがなくて、つい、発言を鵜呑みにして痛い目にあったこともある。「してやられた!」と自分の浅はかさを後悔したこともある。
でも、「おれ、ヒトのいうことを鵜呑みにしたんだ」と思い返してみれば、あきらめがつく。「自分が失敗したのだ」と。
今は仕事で成果を挙げなければいけないわけではなし、時間に追われているわけでもない。だから、生死に関わること、精神衛生に関わることのみ、自分でやればいい。自分の目で確かめればいい。
生死に関わること。それは、なによりバイクだ。
彼の不調はおれの生死に直結している。そして、いつも従順におれの無理な要求にも黙って応えてくれる彼を愛している。
だから、バイクに関することはゼッタイに自分で確認する。修理のときも「じゃ、よろしく。後で取りに来るね」なんてことはしない。「やっときますよ」といわれても、にっこり笑って「待つよ」という。
精神衛生に関わること。いま、ここで精神を健康に保つ唯一絶対の手段は、いままでとは真逆に、何事においても自分の目で確かめたり、自分でしたくなるようなこだわりを発揮しないこと。
こだわりを発揮したり、それを他人に期待したりすると結局、徒労に終わるからだ。
もちろん、Jに関しても例外ではない。
だから「衣食住からたこ焼き屋まで、おれはおまけのようなものなのだ」と思うことにしている。主体性を発揮してはいけない。そのくらいのスタンスでいないと、ストレスが溜まる。
主体性を発揮するときは、やがてまた来るだろう。いまは「沈没」してんだ。「沈没者がストレス溜めてどうすんだ」と時々、反省する(笑)。
そんなことを思うときは決まって、自分のこだわりが発現してしまい、結局、徒労感に包まれる思いをしたときなのだ。
昨日もそんな思いをした。
いま、ひとり、タイ産ブランデーをビールで割って呑みながら反省会。
「焦るな」と。
いまはまだ、じっくりと「沈没」するのだと(笑)。
そのためのキーワードは「Up to You」。
ご存知、連中の殺し文句である(笑)。これを我が物にする。
そして、沈没らしくでたらめなタイ語も駆使する。いわく「アライコダーイ(なんでもいいよ)」。
たこ焼き屋、昨日は設営と撤収だけ手伝った。
市場にヤマハの販促の特設会場ができて、露店は移動を余儀なくされた。

設営時、バナナの揚げ物を売りにきたオバチャン、17段変速のモトクロス・バイク(チャリ)に乗ってきた(笑)。

「誰も買ってくれなくて、これじゃ晩飯が食えない」とJに泣きつく。どうも、Jは泣きつきやすいタイプらしい。10バーツ買ってかじってみるとうまい。油切れがよく、くどくない。黒ゴマが振ってあって風味がある。褒めると「あたしの作る揚げ物はパタヤ一なんだよ」と大風呂敷を広げてきた。
日没後のソイ・ヌン。今日、市場のまわりは閑散としていた。

売り上げは24パックで480バーツ。
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手を洗わないタイ人
市場には共同水栓がない。ちょっと考えられないことだ。
もちろん、トイレもない。いや、正確にはあるのだが、タイ人でさえもしり込みするレベル(?)らしい。明かりもつかないようなトイレだそうだ。
インド圏でもなかなか公共の場にトイレはない。オトコどもはしゃがんだ姿勢で器用に側溝などに向けて小便をする。オンナはサリーだから、やはりしゃがんでするのだろうが、さすがに側溝にしゃがんで用を足している女性を見たことはない(笑)。
オンナは我慢なのだ。
ただし、かの地では共同水栓はいたるところにある。上水道の普及率が低いから市場に限らず、家庭生活でも水源は共同のところが多いのは事実だ。
でも、上水道がある都市部でも手押しポンプのついた共同水栓は、たとえば歩道脇とか、大通りから路地へ入ったあたりとか、よく見かける。
そして、インド圏のヒトビトは総じてよく手を洗う。
では、タイと比べてインドが清潔かというと決してそういうわけではない。
たとえば、インド文化圏では、飯は手で食うものである。だから、曲がりなりにも必ず手を洗うというだけのハナシだ。
トリ・インフルエンザに関してこんなことを言うヒトもいる。
東南アジアはあまり、手を洗わないから、トリ・インフルエンザが猛威を振るった。しかし、同じくウィルスがそこここで発見されたインドでもバングラデシュでも、ヒトへの感染はほとんど報告されない。それはインド圏のヒトが食事の際に手を洗うからだ。
さもありなんな観察だが、調査の網が貧弱なので症例が報告されないだけというハナシもある(笑)。
いずれにせよ、「手を洗う」という行為は、インド文化圏では清潔・不潔の観念によるより、浄・不浄の観念によるところが大きい。
同じ「キレイ」でも「清潔」のことではなくて「清浄」のことなのだ。日没時、どこの店でも線香を焚き、昼と夜の入れ替わりの際のお清めをする。それと同じこと。
だから、せっかく手を洗っても、洗い方がお粗末だったり、そもそも水に問題があったりする。そして、雨季になると簡単に感染性の下痢や赤痢、コレラが流行る。
一方、タイではローカルの市場で露店のヒトが手を洗っているところなど見たことがない。
でも、食い物を手で摑んで作業するヒトもあまり見ない。おれがたこ焼きの具材を手で投入しようとするとJに諌められるほどだ。
なにかを素手で食っているヒトもあまり見ない。果物買ったって串がついてくるくらいだもの。
でも、それは浄・不浄とはカンケーないような気がする。あくまで清潔感の表れなのか。ただ、世間体っていう恥の感覚が働いているといえなくはないような気もする。タイではモノを手で摑んで食うなんて恥ずかしいことなのだろうか。
おれは浄・不浄に強く意識を働かせるインド的なる感覚がけっこう好きだ。それは科学的合理性とか効率性からいったら、笑止なことなのかもしれない。でも、かの地ではそれが生活感であった。
タイでも、そんな生活感を見つけたいと思う。
手で食うってのは実は旨いんです。
金属で切り裂いたり、突っついたりして食うなんて、ある意味、野蛮極まりないと思う(笑)。その野蛮さを自覚しているからこそ、テーブルマナーだなんだなんてものでその野蛮さをごまかしている。
きっと、タイもそもそもは手で食ってたんではないだろうか。中国系はもちろん、その昔から箸を使ったんだろうけど、南の方なんかは料理も見るからに手で食った方が旨そうだ。。
だから、箸もあればフォークもスプーンも使う。おれはインド人のように手で食えても、タイ人のように上手にフォークとスプーンを使えない。
ときどき、「えーいっ、箸持ってこい!」って気分になる。
ちょっとした食堂やレストランならちゃんと箸持ってきてくれます。中国系の先までぶっといやつが多いですけど。
今日は店を閉めた後、パタヤ・タイにあるカノン・チンのお店に行きました。

ここはおれたちのお気に入り。
カノン・チンは辛い鶏がらスープで食うそうめん(?)のようなもの。
いろいろな野菜や香菜がテーブルの上に所狭しと並んでいて、あれこれ選んで食べるのが楽しい。

もちろん、この店はスープも具もうまいです。
ただし、タイのこと、麺はノビノビ。
「生野菜はちょっと…」という方はやめた方が無難かもしれません。
今日の売り上げは750バーツでした。
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市場の高利貸し
大江健三郎でなくても、「バード」とあだ名を付けたくなるようなオトコがSoi Yumeの市場を行ったり来たりして、いろいろな店に首を突っ込んでなにやら話している。
派手なピンクの原チャリに乗り、誰もバイクでは進入しない市場の中にも堂々とバイクで入ってくる。登山帽みたいな帽子を目深に被り、細身の色の薄いサングラスをしている。コジャレたジャドゥカーンもぶら下げて、タイ版シブヤ系とでもいうべきいでたちである。
J曰く、「とってもキレイな女性」を連れている。そのオンナは、ちょっと、肉付きがよくて色が白い。それがJには(タイ人には)美人らしい。
彼はうちの常連である。一日、2度3度と買ってくれる。
片言、日本語を話す。FUJIのざるそばが好きらしい(笑)。
ある日、Jが彼を見ていてふと気づいた。
「あぁ、あのヒト、金貸しだわ」
高利貸しである。
どの程度の金利でいくら貸してくれるのかは知らない。Jもさすがに高利貸しにはこれまで縁が無いようで知らないという。
彼がとある洋服の露店に入った後、うちに来てたこ焼きを買った。支払いは500バーツ札だった。きっと返済金だろう。
まあ、強面ではないが、抜け目なさそうな面をしている。
毎日毎日、市場をうろうろしているところが彼のいやらしさを象徴している(?)。

うちの郵便受けにも最近、こんなものがちょくちょく放り込まれる。

タイ人、ローンを組んで車やバイクを購入して、払いきれずに差し押さえられるヒトがやたら多いと聞く。後先考えずに金も借りそうだよな。
日本では規制が厳しくなって、商売にうまみの少なくなった高利貸しが、タイにも進出してきているという。そうそう、日本人も借金大好きであった。
まだまだ、日本に比べれば血縁のセーフティーネットが機能しているように見受けられるタイだが、パタヤのようなところ(きっとバンコクもだろう)では、借金を業者にせねばならないようなヒトがローカルのタラーにもいるんだ。
ちょっと新鮮だった。
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マザコン社会(?)
Jは毎日、母親と電話で話をする。
Jがかけることも多いが、そうでなければ母親からかかってくる。甘えるような威張っているような…タイ語はわからないおれだけど、母親と話しているJ はすぐわかる。友人や知人と話しているときとは明らかに声調も雰囲気も違う。
タイ語は声調がイノチの言語だから、声の調子は相手によって日本語以上に変わるものだ。
Jは幼い頃に父親と死別している。バイクの交通事故だったそうだ。
それ以降、母親は土方をしたり(タイでは工事現場に女性労働者も多い)行商をしたり、苦労してJを育てた。とはいえ、母は再婚し、新しいだんなとの間に女児をもうけ、Jはもっぱら祖母の下で育ったようで物心ついてから母親と暮らしたのはほんの数ヶ月にも満たない。
母は新しいだんなのことを「あなたのお父さんが」というらしい。そのたびにJは「私のお父さんじゃない」という。
母娘としていわゆるまっとうな親子生活をしていないからこそ、余計に母恋し娘恋しなのかもしれない。しかし、ろくにひとつ屋根の下で暮らしたこともないふたりは、一緒に住めば住んだでなかなかストレスも溜まるらしい。おれの不在中、3週間ほど母親がパタヤに来ていたが、Jは「疲れた」としきりにこぼしていた。
「あんたは両親が恋しくないの?」という。まったく連絡も取らないし、あまり両親の話もしない。「日本人ってそんなカンジなの?」と。
おれの場合、ちょっと特殊なので、これをスタンダードと思ってもらっても困るのだが、たとえば、日本語の「お母さん」とか「お袋」とかいう呼称とタイ語の「メー」という呼称では明らかに親密度というか馴れ合い度が違うような気がする。
おれのタイとの関わりを象徴するようだが、そこそこ知っているタイ人となると若いオンナばかり(しかも、みな貧しく、職業は水商売)。彼女たちはことごとくマザコンだった。まあ、Jをはじめ、みな、日本人以上に個人主義的だし、いわゆるマザコンだとは言い切れないかもしれない。ただ、その個人主義も「母」っていう象徴的な権威(というより支柱)に支えられたモノである。
「母」という象徴的な依存対象は、タイ人にとって彼らの「ブッダ」と同じく、尽くす(タンブンする)ことによって「サバーイ」にしてくれるありがたいものなのかも知れない。
Jの場合は母親と離れざる得なかったことが幸いしたのだろうが、一時期、バンコクでよく知っていた娘はやはり貧しかったが、バンコク生まれで未だ母親とボロアパートに暮らしていた。そして、どこか精神的に母親のドレイだった。
そりゃ、当たり前かもしれない。「ブッダ」と暮らしているようなものなら…。
その頃、おれはしきりに「家を出ろ」といったものだが、いま思うと酷なことを言っていたものだと反省する。
インド圏のオトコたちもイスラムのオトコたちも、ことごとくマザコンである。男系社会でオトコ社会のひげ面のむさい連中が、いい歳こいても「マー、マー」「アッマー、アッマー」といって母親を慕う(インド圏でのおれは、逆によく知っているのはオトコばかりだなのだ)。
こちらも「母」は権威であるが、尽くすことによって「サバーイ」にしてくれる手前勝手に仕立て上げる権威ではなくて、「母」という「創造を司る」絶対的な存在のようにも映る。
だから、彼らは自分の母だけでなく、他人の母に対しても権威を認める。はじめてインドで暮らした頃、おれを青二才扱いして小ばかにしていた連中ですら、おれの母親に対して、それはもう見事なくらいの敬意を示して丁重にもてなしてくれたものだ。
タイとインドじゃビミョーに違うけど、アジアにおけるマザコンは土着性というか「出自」としてのアイデンティティ(帰属性)を確かにする「地に足の着いたカンジ」の源泉なのかもしれない。
「おれは…」、「日本は…」どうなんだろうか、ということを思うとき、長谷川和彦の「青春の殺人者」を思う。ちょっと古くてマイナーすぎて誰もピンと来ないかな(笑)。
1978年の日本映画である。
親殺しのハナシだ。中でも母親は執拗に粘着性を持ってじっくりと殺されている。父親の方はいい加減だ。あっさりとテキトーに殺される(笑)。
えぐい言葉遣いですが、映画も、そして、ここでのハナシも精神性をこそ、問題としていて、「殺し」は比喩であることを了解願います(笑)。
おれたちの世代の日本のオトコタチは、きっちりと母親を片付けてしまった男たちと、あの映画でも描かれている夫である父に幻滅し、ぬめぬめと息子を相互依存の精神的近親相姦持ち込もうとする母親に絡め捕られた男のどちらかなのだ。
そして、時代はどんどんと流転する。
そろそろ、誰かが2000年以後の「成熟と喪失」(江藤淳)とか「甘えの構造」(土井健郎)を書く必要が生じているのではないか。
あるいは2000年紀の「青春の殺人者」を…。
それとも、すでに存在するのかな?
今日はJの電話からわけのわからん妄想に嵌ってしまった(笑)。
これからタムガンです。
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好きな瞬間…そこにはヒトが介在している
通っている近所のジムで若くて体格のいい兄ちゃんとよく行き会う。まだ若いのだが、彼が筋トレする回りに小さな男の子がまとわりついている。
ジムの若い連中は気取ったヤツも自意識過剰なヤツもたくさんいて、そんな連中はつるんでいたりするのだが、かれはひとり、黙々と器具や鉄の塊を上げ下げしている。
しばらくすると、彼の妻がお買い物のビニール袋を提げてジムにやってくる。すると、彼は筋トレを切り上げ、妻と子をおんぼろのSUZUKIに乗せて家路へ就く。
タイでは若くして結婚する(といっても事実婚だろうが)カップルが多い。それも、貧しい層に多い。きっと、ゴムなんてしないだろうし、こどももあっさりできちゃうんだろう。
そんな彼はジム通いに多いナルちゃんのような美しいカラダをしているわけじゃない。どちらかというと「生活に埋没」しているタイプの体つきだ。でも、彼はまだ、「なにか」を捨てていない。でも、「現実」に満足しているわけでも疲れきっているわけでもなく、その「現実」から逃避してもいない。
彼がこどもと妻を乗せて走り去る夕闇迫る時刻が好きだ。
以前に紹介したカオマンガイ屋の働き者のお兄さん。
http://pattayadiary.blog123.fc2.com/blog-entry-99.html先日、行ってみると疲れた顔をしている。
「ロクにゆっくり寝る時間もない」という。
毎日、仕入れをして仕込みをして夕方には店を開ける。そして深夜1時過ぎまで路上で働く。片づけをしたり整理をしたりして寝るころには朝が近い。
午前中には起きだして昨日と同じ繰り返し…。
「ときどきうんざりするけど、いまは頑張らないと…」。
それでも、彼はひと時も手を休めない。
疲れた顔でばら売りのタバコをくわえながら、彼が大きなたらいで皿を洗っている路上の深夜も好きだ。
おれたちのたこ焼き屋のすぐ後ろ、ナンプリックや茹で野菜、揚げ野菜とご飯を売るお惣菜屋がある。その露店のオバチャンはどうみてもJより年上なのに、Jのことを「ピー」と呼ぶ。

彼女の店はあまり売れていない。だから、彼女も遅くまで粘る。
おれたちは市場で腹が減ると彼女のお惣菜を買う。いつもそれは山盛りで、おれたちが恐縮するほど、いろいろおまけを付けてくれる。

これで15バーツしか受け取ってくれない(笑)。
「かえって迷惑かけてるな」と思いながら、意地でも残さず食べる。市場で飯を食う時間も好きだ。
そんな好きな瞬間がけっこうたくさんあって、その一瞬をしっかりと切り取る写真が撮りたいと思うものだが、残念ながら、そんなときにカメラをすがさず構えるなんていう勤勉さを持ち合せていないし、カメラのセンスや技術がね…ついていかない。
さて、今日は7時過ぎには粉もんが終わってしまい、早く帰りたいと考えたJは、友人に電話をして鉄板に残っていたたこ焼きを売りつけた。近所に住むその友人宅にデリバリーに行ったJだが、思いもよらない場所で張っていたポリスにノーヘルで捕まり、罰金400バーツ。
とぼとぼと戻ってきた憤懣やるかたないJを乗せてビーチロード沿いの警察署まで罰金を払いに行きました。
残り物といえどもJにとっては1個5バーツのたこ焼き。30バーツの欲をかいて400バーツ巻き上げられたわけだ(笑)。よくできた笑い話か教訓話のようだ。
しかし、教訓になっているとは思えないところがタイ人で、爆笑するおれや市場のオバチャン連に涙目になりながらマシンガンのようにケーサツへの恨み言を唱えていた。
まあ、司法というのはその効力の及ぶ共同体に属する万人に平等に厳格に適用されてこそ、その尊厳も維持されるわけだが、とかく、途上国ではそうはいかない(日本だってそうはいかないかな)。
特にタイのノーヘル取締りはほとんど小遣い稼ぎのようなもんで、普段はポリだってノーヘルで走っているし、取締りの検問以外ではノーヘルだろうが、3ケツだろうが誰も止められることなどない。
今日はそこらじゅうで検問が敷かれていたのか、ケーサツ署は大混雑。払いたくもない罰金を払うのに30分以上待たされて、さらにJはおかんむり。

やっと罰金を払い、バイクを回収して帰宅。帰宅途中、ソイ・ヌンでは4台のオートバイによる大事故直後を通過。5人がばらばら路上に横たわり、ガラス片と血のりが生々しく飛び散っている。その様に震撼したしたJは、「やっぱ、ヘルメットは被らなきゃ」と殊勝なことを言う。
しかし、その事故あとを通過したら、Jのバイクの後輪がパンク。ガラス片を踏んづけたようだ。そして、やっと家にたどり着くと水が出ない…。
なんだか、妙な一日でした。
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唄を口ずさむヒトたち
バイクにJを乗せて走っていると、彼女はよく唄をうたっている。それはタイ・ポップスであることが多いが、時にはヒップホップだったりする。でも、英語で唄えるはずもなく、「あちゃチャチャチャ〜♪」みたいなハミングになる。またはタイでもミーハーな乙女ゴコロ(?)を捉えている韓国ドラマの主題歌。その場合は「チェンガチェンガ〜♪」(笑)。
Jだけじゃない。バイタクの兄ちゃんが、ウェイターが、市場のオバチャンが、ふと気づくと唄を口ずさんでいる。
ああ、思い出してみれば、インドでもバングラデシュでも南国では男も女もよく唄を口ずさんでいた。
おれには歩くときのBGMはある。が、振り返ってみるとカセットテープのウォークマン登場以来、BGMは耳に直接鳴り響いてくれて、自ら口ずさむ必要がなくなってしまった。そして、いまや、i-podの時代である。おれが買い溜めてきた音源は3年前からすべて40ギガのi-podの中に収まってしまっている。
ここで、ふと横道にそれるが、「歩く」というのは人間にとって速度の基本だ。タイなんかにいるとなかなか歩かない。すぐ、バイクにまたがってしまう。わずか100メートル先のファミリーマートに行くにも原チャリだ(笑)。だから、なるべく歩くようにしている。たとえ、排気ガス臭くても、時には「速度の基本」を確認しておいた方がいい。
唄を口ずさむ行為は「歩く」のによく似合っている。
そして、おれも唄を口ずさむヒトになりたいと思う。
なぜなら、わがi-podがどうやら逝ってしまったようなのだ。HDの使用状況を見るとちゃんと中にデータが入っていると認識するのだが、選曲しようとすると空っぽ。
かれはいろいろな地でさまざまな音楽を提供し、おれを和ませてくれた。あたらしいi-podに較べたら、でかくてぶっとくて、しかも傷だらけ。いまや、不恰好にも思える代物でそろそろ限界なのかもしれない。
音源は日本のパソコンの中。当分、帰る予定はない以上、口をついて出る唄に身を任せるのもいいかなと。
さて、今日のたこ焼き屋は新しい記録を打ち立てました(笑)。
それは、一日の日本人来客数である。なんと延べ7人!
お越しいただいたみなさま、どうもありがとうございます。
選挙当日でもあり、タイ人の来客が少なかったにもかかわらず、本日の売り上げは990バーツ。Jもご満悦でした。
日本語が飛び交う中でひとり、自分だけがわからないことに不満気なJ。普段はおれだけがわからないので、「今日はいつもと逆だね」と。まあ、地球はタイ中心に回っている彼女も時には「異人」感覚を味わった方がいい(笑)。
撤収後、Jの友人宅で晩飯をご馳走になりました。
彼女のうちにあった蚊捕りラケット。

アジア全域でよく見かける。乾電池の電流でビリビリと蚊が感電死します。
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タイのある若いオトコのこと
母親が二十歳のときに出産し、しかし、妊娠中にだんなは新しいオンナに走り、当然、生活費や養育費の面倒を見るなんて事はしない。なにしろ、事実婚だ。
母親もそのうち新しいオトコを見つけて同居をはじめる。こぶつきは嫌われるから、祖母に預けられて育つ。祖母のうちだって貧しい。しかし、母親の新しいオトコも貧しい。ましてや前夫のこどもに金を送ってくれるなんて柄でもない。
ろくに学校にも行かず、親に対する不信感の塊のように育つ。まだ、捨て子の方がいろいろ親や生い立ちに夢や幻想を抱ける分、ましかもしれない。
14歳でパタヤに来て、就業年齢にも達していないから買い叩かれてロクな給料ももらえず働く。テキトーに仕事をこなし、金もなく、欲望を煽るさまざまモノを横目に生きる。
躾もなく世間も知らず、社会に参加するための最低限の資格も条件も持ち合わせていない。しかも、途上国はどこでも弱者にヒジョーに厳しい世界だ。
彼は「愛されてる」って感じたこともないだろう。
同じような若いオトコはいくらでもいる。そんな仲間とつるんでグダグダ過ごす。
水商売で生きる従姉妹が叔母と暮らしていた頃はまだ良かった。金を無心することもできたし、頭金を払わせて原チャリも買った(その後、ローンが払えず差し押さえられたけど)。
しかし、従姉妹に外国人のオトコができて以来、彼女はオトコが面倒がるのを恐れて、訪ねてもいい顔をしない。
結局、八方塞のパタヤから祖母のところに戻ったものの、田舎にだってロクに仕事はない。
まだ16歳で完全に閉塞状態。
Jの従兄弟のことだ。
彼の孤独も怒りも、無知も無礼も、その情況を考えると致し方ないと思うことはできる。しかし、そのココロや思いを想像することはできても、まったく違う世界で生まれ、育ったおれには理解することなどできない。「理解できる」なんていうのはおこがましいし、なにより偽善だろう。
そして、おれにできることなどなにもない。
せいぜい、Bob Marleyでも聴かせてやったら良いのかもしれないが、英語なんてわからないだろうし、その音だけで何かに目覚めるほどの感受性を持っているとも思えない。
先日、彼が家出してふたたびパタヤにやってきた。
しかし、やっぱりどうにもならないのだろう。最後の最後にJに電話してきて、「帰りたいけどバス代もない」といってきた。
うちに現れた彼にJが冷たい表情で1,000バーツ渡す。
ホントにタイってやつは…。
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Holiday of Holiday
年末、ウェールズ出身の沈没ファラン・Kと呑んだ時、かなり酔っ払ったおれは彼にどういう思いでここにいるのか、率直に訊いてみた。英語じゃ「婉曲に訊く」なんて技を持ってないから単刀直入になるのは当たり前だが(笑)…。
かれは大学を出ると23で大西洋クルーズの客船乗務員となった。ミュージシャンとしてである。6ヶ月乗船、6ヶ月ジャマイカで陸上勤務という仕事だったそうだ。
それ以降、かれはほとんど故郷ウェールズにとどまることなく海外を点々とする。メキシコ、インド、モロッコ、タイ…。音楽への情熱を失ってからは音楽教師として各地で暮らした。
タイでもかつてはインターナショナル・スクールで音楽を教えていた。
ちなみに彼ははじめてタイに来てから9年になる。そして、いまのタイ人ガールフレンドとは7年の付き合いだ。
おれの質問に彼は「I am sharrow man, you know mean」と答えた。
それから、ゆっくりとおれにわかりやすいようにこう言った(彼は外国暮らしが長いのでわかりやすい英語で話すのがうまい)。
「職業ミュージシャンなんてくそ(彼はShitといった)だし、教師ってのは学校しか知らない本当にひどい(Terrible)連中なんだ。おれにはもういかなる情熱(Passion)も残っていない。
おれの彼女の実家はバンコク近郊で、親戚一同がボートハウスに寄りかたまって暮らしている。ほとんどプライバシーなんてものはないし、貧しいなにもかもを共有するその日暮らしの生活だ。でも、彼女の爺さんは毎晩、酒を呑んで酔っ払い、ダメオヤジ扱いされながら娘や孫たちに介抱されて幸せそうなんだ。おれもあんな生活がしたい」
そんな彼の思いをKの彼女が共有しているとも思えないし、そんな枯れた心境や枯れざる得ない「インテリゲンチャ」の悲哀を理解するとも思えない。
おれたちが酔ったアタマをつき合わせてそんなハナシをしている間、Kの彼女とJは嬉々としてカラオケを熱唱していたのだから(笑)。
そして、おれはその後、しみじみと考えさせられてしまった。
どこか彼のShallowさと共通する浅はかさを持ってフラフラと40近くになるまで生きてきて、どこか彼が喪ったPassionと似たような情熱を失くしてしまってパタヤにたどり着いたおれは、彼のハナシに身につまされる思いがした。
Kは「イギリス人と日本人は似ている」といった。
しかし、彼は数人の友人を紹介してくれて一緒に呑んだりBBQしたりしたものだが、その連中とはどこかかみ合わなかった。彼とおれが似ているのかもしれない。
考えてみればパタヤで唯一の友人だ(笑)。
実はしばらくパタヤを離れ、インドとバングラデシュを訪ねることにしたのは、他に理由もあるとはいえ、Kとの会話がきっかけなのだ。
そう、「おれも本当になにもかも失ったのだろうか?」とそのことを確認するべきだと思った。
まだまだ、Kのように泰然と「沈没」することができていないおれ。彼を哀しい可哀想なオトコだなどとはまるで思わない。かえって、「開き直ってるな」とその潔さにチカラすら感じる。
それは金の問題もあるが(Kは死ぬまでカネには困らないといった。そのことで「I worry my father」だそうだ)、おれにはまだ、本当に「何もしたいことがない」といい切る自信がない。
実はしたいことがある。
本当にそれがしたいのか確かめてみよう。ここに来て6ヶ月。ちょうど良い頃合だ。
そう、思った。
まあ、そう難しく考えずともちょっと息抜きは必要だ。
「沈没者が息抜き?」(笑)
時を同じくしてKは3週間ほどマレーシアへ行くという。「Holiday of Holiday」だそうだ。
そう、それでいいじゃないか。
昨日のたこ焼きの売り上げは650バーツでした。
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カラバーオ系にはクールな男が多いのか?
タイの有名なシンガーでカラバーオというグループ(いや、個人なのか?)は、カリスマ的な支持を得ていることで有名である。「水牛の角」マークはタイを訪れたことのあるヒトならどこかで見かけたことがあるはずだ。
![karabao11ua8[1]](http://blog-imgs-40.fc2.com/p/a/t/pattayadiary/20080215170123s.jpg)
(かなり横長画像なので縮小しました。クリックしていただければ拡大します)
多くのオトコたちが彼のバンドのロゴの入ったシャツを着、キャップを被り、車やバイクにステッカーを貼る。
ある種の「アイデンティティ」の表明になっているような位置づけに「カラバーオ」はある。
いつも朝食兼昼飯を食うバラック食堂のオヤジも「カラバーオ・ヤロー」であることは以前にも書いた。
http://pattayadiary.blog123.fc2.com/blog-entry-63.htmlhttp://pattayadiary.blog123.fc2.com/blog-entry-143.html![okini[1]](http://blog-imgs-40.fc2.com/p/a/t/pattayadiary/20080215165122.jpg)
この「カラバーオ」というアイデンティティが、どのようなものなのかおれにはよくわからない。が、今日の食堂での会話をJが説明してくれて、「これぞカラバーオ」(?)と思ったのだ。
シナリオ風に記すとこんなカンジになる。
いつも、混雑しているカラバーオ食堂だが、ふと、客足が途絶えることもある。
アムウェイおばちゃん(カラバーオ妻)、仕事の手を休めて、Jの横の椅子に座り込む。
おれとJのカオを見比べ…。
妻 「(Jに)あんたたちけんかすることなんてないの?」
J、おれのカオを見てあごをしゃくりながらニヤニヤ笑う。おれは何のことかよくわからない。
J 「そりゃ、あるわよ。しょっちゅうよ」
黙々と串焼きをいじっていたカラバーオが炭の熱で紅潮した顔で振り向く。
カラ「(シニカルに笑って)おまえ、そんなこといちいち訊くもんじゃねえ」
そこでもう、彼は串の方に向き直っている。
カラ「おまえやおれと同じよ。歯が同じ口の中にある舌を傷つけてしまうことだってあるんだ。男と女も同じさ」
おばちゃん、興ざめしたように沈黙し、席を立つ。
Jはからからと笑っておれを小突く。
うーん、こいつはカラバーオ以外の何者でもないとひとりごちる。
タイでは「オトコはカラバーオ」。「オンナは…」、こっちはよくわからないな、まだ。とりあえず、「オンナならスコータイ」ってことにしておこう(笑)。
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