Life Goes On (パタヤ日記)

世界一邪悪な(?)街・パタヤに漂着してタイ女性の部屋に転がり込みました。日々の生活からパタヤ情報まで発信中

母に捧ぐ


愛でもないものを「愛だ」といって譲らないヒトが多い。その認識は個人個人の勝手だが、とかく、愛はインタラクティブなものであるので、対象としてその愛に巻き込まれるおそれが誰にでもある。おれはそんなとき、途方に暮れる。しかし、おれになにができるというのだろう?
結局、おれが四十に手が届こうかという今日、初めて理解したのは、母のそれこそ、愛だということだった。母の愛は「瞬間の王」とは違う。しかし、ここにも留保がある。庇護から独占、そして喪失の恐怖を経て諦めに到達したとき、母の愛は「瞬間の王」からもうひとつの愛のカタチへと昇華したのだった。それはモラルが支える継続性とは異なる、ひとつの愛を巡る旅路なのだ。


なぜ、世の母がこの旅への可能性を秘めているのか、おれは知っている。
母の愛でさえ「瞬間の王」であることから始まる。つまり誕生である。そこには「死」が内包されている。母子は死を越えてくるのだ。
一方、男女の愛にあって「性交」は不可分なものである。エクスタシーは出産と同様、「死」を内包している。エクスタシーなくして愛という「瞬間の王」は目覚めない。このときから、母は次なる「瞬間の王」である出産への向かう。
予定された「死」へと。
母とは「死」から「死」へと渡り歩く宿命にある者の別名でもある。

女であることと母であることの隔たりは大きい。
母の愛を巡る「死」の旅路には「別離」「喪失」が約束されている。それが母愛を崇高なものにする。
だからこそ、母たちは決して「死ぬときも一緒」などという妄言は吐かない。





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離婚・棄職、糸の切れた凧のように流離う
成人後の20年を、旅とインド圏に費やすこと10年、転居14回の根無し草
そのくせ、映画オタク

現在、パタヤ在住
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