Life Goes On (パタヤ日記)

世界一邪悪な(?)街・パタヤに漂着してタイ女性の部屋に転がり込みました。日々の生活からパタヤ情報まで発信中

ドキュメンタリー映画「ブリッジ」

ビデオ鑑賞。
監督:エリック・スティール
サンフランシスコ・ゴールデンゲートブリッジで自殺するヒトビトを追った作品。

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テーマを絞ったことが成功でもあり失敗でもある。
もちろん、「橋からジャンプするヒト」というアイディアがすべてであり、そのアイディアゆえに作品として成立した。

しかし、そのアイディアは深化しないまま、橋とそこから身を投げるヒトを捉えた衝撃映像だけに収縮し、他に観るべきところもない単なるキワモノ映画として成功を矮小化してしまう。
ゴールデン・ゲート・ブリッジという象徴、映画的にいうなら「モノリス」が圧倒的にでかくなりすぎて、作り手は完全にそれを持て余している。残された遺族や友人、自殺に失敗して生き残った者へのインタビューは焦点が見えない。

まあ、考えてみれば、自殺とは手段が問題なのではない。具体的な手段の如何に関わらず、自殺という行為そのものが問題なのであり、その過程が問題なのだ。それなのに、この映画は、当たり障りのない動機論に終始し、ステロタイプな自殺志願者像を観客に与える。

ふと、キアロスタミの「桜桃の味」を思い出す。
「おれを殺してくれ」と頼んで回る男の話だ。手段も特異だが、作り手はその特異さに流されない。フィクションなのにココロにずきずきくるリアリティがある。「ブリッジ」は実在の人物の自殺を描いているが、なんとステロタイプで薄っぺらいことだろう。もしかしたら、現実とは、実在の人のココロとはこの程度なのかも知れない…、いや、やっぱ、そんなことはないと思う。


「ブリッジ」は、ココロの闇に立ち入ることなく、自ら選択したモノリスに引きずられて、襲撃映像へと逃げ込む。

センセーショナルなワン・アイディアを作品化するにあたって、作り手は言い訳を用意したかったのだろう。インタビューはまさにこの映画の作り手による「製作意図」の説明となっている。
かなりできの悪い言い訳である。さらに意図的に構成をばらしたり交錯させたりして、橋のショットを挿入する。そりゃ、映画「ブリッジ」のモノリスなのだから入れたいのはわかるが、ほとんどの場合、編集意図が見えない。

もう、ここまできてしまうとどうしようもない。いっそのこと、もっとカメラをたくさん使って、自殺者が橋に現れてから飛び込むところまでだけの映像で一本の作品にした方が良かった。
そんな度胸と潔さ、覚悟もなくて、こういうテーマの映画を撮っちゃいけない。

おれは別に自殺者を止めもせずにカメラを回していることを非難したりする似非人道主義者ではない。それより、この映画の迎合的で中途半端な姿勢が鼻につく。
まあ、とにかく、サイテー、最悪の部類に入る映画だった。





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