Life Goes On (パタヤ日記)

世界一邪悪な(?)街・パタヤに漂着してタイ女性の部屋に転がり込みました。日々の生活からパタヤ情報まで発信中

リーダーとは?

理想の総理大臣、「爆笑・太田」に人気集まる
http://career-cdn.oricon.co.jp/news/54710/full

というネットの記事を読んだ。
1位から10位までお笑いタレントだらけだ。彼らが庶民に人気があるのは当たり前のこと。

芸能、特に「笑い」とは常に反権力である。「笑い」は対象に「傾き」や「揺らぎ」を与えることで成立する。傾きを与える対象は、権力であったり、社会規範であったり、とかく絶対視されているモノ、常識的に立場や地位が確立されているモノになる。
はじめから傾いているモノや揺らいでるモノでは、いじっても新たな(創造的な)可笑しさは生まれない。

そういう作業を意識的に行うことで成立するお笑い芸人をリーダーに選びたいと考えるということは、既存の権力、勢力に対するヒトビトの不満や不信は相当なものだと考えるべきなのだろうか?

もちろん、それは事実だろう。


一方で危険な事実誤認があると思う。

寄席や舞台、テレビで政治や権力、世相を揶揄するお笑い芸人を見て、ヒトビトは溜飲を下げる。いつの時代、どんな社会でもそういう娯楽は必要だ。
しかし、だからといって、お笑い芸人に世の中を変えて欲しいとまでは思わなかったはずだし、お笑い芸人も「おれが世の中を変えてやる」とは思わなかっただろう。

いま、誰もがそれを想像している。そして、実際に政治に首を突っ込む芸人まで出てくる。

たとえば、庶民が才気走ったお笑い芸人に何かを期待するのは、まだいい。ドラマのヒーローを見て、「ああ、彼がこの世界に実在したら…」と願う乙女心のようなもの。無邪気で罪がない。
しかし、テレビドラマのヒーローを演じているヤツは、まさか現実世界にそのまま「おれがヒーローだ!」といって登場しようとは思わないだろう。そんなヤツが現れたら確実に病院行きだ。

でも、お笑い芸人は時々それをする。すごく大まじめな顔でそれをする。

百歩譲って、そういう芸人がいてもいい。でも、そんなヤツが現れたら、みんなで笑おうよ。少なくともお笑い芸人なら、それをネタにして、そんなヤツを笑い者にしようよ。
それでも、まだ本気なら…。そのときは「ドン・キホーテ」のように敬意を示してやる。

でも、誰もしない…。誰も笑わないし、連中を笑いものにもしない…。
みんな、本気で期待したりしている。とっても薄気味悪い。

一時期、残酷なテレビゲームや映画、戦争報道の映像なんかが現実と虚構の垣根を曖昧にするなんて論評が盛ん振り回されていた。お笑いを巡る作り手と観客の意識の方こそ現実と虚構の境界が曖昧になっているだろう。


別に政治家や政党でなければ…なんて言ってない。


リーダーとはヴィジョンを示す者だ。何も特技なんてなくたっていい。才気走ってなくたっていい。ヴィジョンを持つ楽天性とヴィジョンを語る説得力、その実現のための最初の一歩を踏み出す蛮勇さえあればいい。
もちろん、残念ながら現代日本でヴィジョンを示すということは、おそらくヒトビトに我慢や出血を求めることだ。だからこそ、今まで以上にこの3つの資質が欠かせない。

その場しのぎの「庶民の味方」やポーズとしての「国と国民のため」ならそこら中に転がっている。しかし、政治家も知識人も評論家もお笑い芸人も、誰もヴィジョンなど示そうとはしない。

この国は長い間、リーダー不在だった。
いまや、ヒトビトにはヴィジョンを見るチカラも残っていない。

やっぱり、ここは「終わった国」だった。


こういうニュースを読みながら、先日観た「大日本人」を思い出す。総理大臣になって欲しい有名人10人の中に松本人志の名前はない。
「大日本人」が描いていること、松本人志の名前がないこと…このふたつ事実は、彼が「芸人」として一流であることの証であるのだと気がついた。






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