Life Goes On (パタヤ日記)

世界一邪悪な(?)街・パタヤに漂着してタイ女性の部屋に転がり込みました。日々の生活からパタヤ情報まで発信中

生活の態度(その1)

海外に出るとアドレナリンも出る。ある程度は、だれでも未知の場所では緊張するものだから、当然のことかも知れない。おれの場合、長い間、これが海外に出ることの最大の喜びだった。
日本にいると弛緩してくる。緩んでくる。それが醜さにつながる…そう思っていた。日常における闘争や危険が限りなく少ない日本では、街を歩くのにそう、テンションをあげる必要もない。

昨日は一日、使い物にならず阿佐ヶ谷をぶらぶら散策した。
タイでは街を散策なんてしない。「歩く」なんて気分にはならないのだ。歩くとしたらビーチかショッピング・センターである。しかし「歩く」のは「速度の基本」だ。あまり歩かないのはぜったい良くない。
ところがタイ…メタメタ暑いし、歩くための環境が整備されていない。危険だし排気ガスで気分が悪くなる。だから、どこに行くのもバイクである。これが、また、アドレナリンを湧出させる。優雅に運転するにしてもジェントルさを維持するにも、そのためにヒジョーな警戒心を求められる。車に乗ればきっと景色は違って見えるのだろうが、そんな金はない(笑)。

「リトル・トゥリー」という本で描かれるアメリカ先住民のおじいちゃんは、「握手ってのは野蛮な習慣だ」といっていた。「袖にナイフや武器を忍ばせていないことを確認する」ための儀式だというのだ。
そもそも動物は同種であってもコミュニケーションのための最初の行動は「攻撃意志の有無」の確認である。タイ人の笑顔は西洋人の「握手」と同じ機能を果たす。同じ農耕民族のなのに、現代社会でもタイや東南アジアの方が日本より「攻撃性」「戦闘性」をうちに秘めている。日本は武士という「戦士」がかつていて、戦闘文化を持っているようにいわれるが、あれは様式化されすぎていて、プリミティブな個人の戦闘性を包含していないと思う。だいたい、そのメンタリティたるや、自己優位性の盲信からくる集団陶酔の涯てにバンザイしてすべてを投げ出す「すべてか無か」の世界。駄々を捏ねる世間知らずのガキと同じで、それをもっともらしいセオリーで粉飾したに過ぎない。

人間の生存に関わる「戦闘」は駆け引きなのだ。そして、あっさりケリがつくものではない。延々と続く日常の「生存に関わる」業務である(笑)。

だから、日本人は戦闘に弱いと思う。「ゼロか百か」のヒトたちは、「百」の中で疑いを持たずに粛々と生きる時には粘り強い。が、1つでも2つでも上積みして「70生きれるか、71生きれるか」を問われるとき、まるで役に立たない。

たとえば、山小屋の小屋番をしていたときには不思議に思ったものだ。厳冬期の雪山で多くの遭難者が一晩で死んでしまうのである。じゅうぶん装備も食料も持ったわざわざ冬山にやってくるような健康な大人が、道に迷ってたった一晩保たずに死ぬ。若いのやパーティーを組んでいる場合はそうでもないのだが、中高年の単独行者はほぼ、間違いなく死ぬ。たぶん生きることに「バンザイ」しちゃうんだと思う。いくら装備に金をかけても、ふだんジムに通って体を鍛えても、ココロが「バンザイ」したら生き残れない。

一方、タイ人もあまり強くないと思う。基本的に直球勝負のヒトや感情をあおるだけで戦略のないヒトは長い闘いに耐えられない。だから笑顔である。笑顔でつけいる。笑顔で引き出す。こうなると、一見、狡猾なようだが、怠惰なだけだろう。しかもその程度で憐憫を示してくれるヒトビトがタイにはたくさんいる。

日本人はお辞儀だ。しかし、これもまた困ったものである。握手や笑顔はわかりやすいが、お辞儀は難解だ。時に滑稽でもある。だから、日本人を揶揄するときに必ず使われる。
タイのテレビで整髪剤のコマーシャルを見たことがある。座敷で学ランの兄ちゃんがお辞儀をするのだが、髪が乱れる。しかし、その整髪剤を使えば、日本人のように何度もお辞儀を繰り返しても髪が乱れないというわけだ。

だから、お辞儀は「攻撃性の有無」の確認にはあまり役に立たない。この挨拶は「儀式」である。日本はコミュニケーションのための最初の行動である「攻撃意志の有無」の確認を挨拶以前に処理して、挨拶をいきなり「儀式」化して使用する。
挨拶が「攻撃性の有無の確認」である文化といきなり「様式」「儀式」である文化では前提となっているものが大きく違うような気がする。


なかなか本題にたどり着かない(笑)。長くてスミマセン。

おれは形式的なものがキライだ。儀式や様式の美には、それがいかなる文化に属していようとあまり感銘を受けない。
形式は「価値観の共有」という前提を受け入れた者だけに重要なものとなる。裁判官の衣装や法廷での宣誓が威厳を持つのは法を受け入れるからだ。法を笑う者にとって、あんなものはこけおどしや茶番にしか見えない。

日本から海外に出るというのは、挨拶が「儀式」である国から、挨拶が「攻撃性の確認かも知れないところ」に行くということ。
本能的にそう感じているから、海外に出るとアドレナリンが出てしまうのだ。

それが楽しかったのだが、「儀式」の国の良さも知っている。ただし、儀式の前提となる価値観の共有を受け入れるのでなく、受け入れる「ふり」をして生きる。つらいこともあるが、そうすることで享受できるものがたくさんある。ただ、「ふり」をすることで過剰なストレスになるのならやめた方がいい。それがすべてとなってしまっては本末転倒だ。ただ、その場合は常に「攻撃性の有無の確認」を自分に強いて生きる覚悟が必要である。

たとえば、ここ阿佐ヶ谷でおれはなんの警戒心もなく、なんの束縛もなく、無防備でいられる。そうやっていると、自分に没頭できる。空想や夢想を遮るものは何もない。こんな環境を海外で得ようとしたら、それなりの金が必要であり、さむなくば相当の経験がいる。しかし、日本ならぼろアパート暮らしにも静寂が約束されている(笑)。
本にも映画にも音楽にもアクセスが約束されている。
ネットだって快適だ。
健康を維持するに足る食い物へのアクセスも面倒がない。

昼間から妄想に耽り、こんな駄文をだらだらと書く時間も約束されている(笑)。

ヒトによって大切なモノはそれぞれ違うだろう。おれとって、バイクも海もオンナも重要であることは事実だが、それ以上にこうしたことが譲れない。

だが、おれにとっても、多くの人にとっても「時間」…これが最大の問題だ。通常、「ふり」をすることによって、この約束が反故にされる。「ふり」は社会性を求め、社会的ステイタスを求めてくる。そのために削がれる「時間」は人生の大きな部分を占める。時間は金銭に換算されもする。

二十歳そこそこのガキなら、とんがった顔をしてアウトローを装うのもいいだろう。金が無いのも時には楽しいし、逸脱を演じるのも楽しいものだ。なにより自由になった気がする。でも、それはただ「気がする」だけ、ただの「ごっこ」に過ぎない。もう、いい大人になってしまったおれは、「ごっこ」じゃ満足できないんだな。
「ごっこ」を楽しむヤツらは、すぐに唯々諾々とした模範的な「共有者」となる。おれは20年間、おれの同伴者をたくさん見てきた。かれらはことごとく、「共有者」の囲い地にいつの間にか駆け込んで、おれを置き去りにしていった。残った者はごくわずかだ。いつだっておれは「ふり」の世界に取り残され、新しい仲間は歳を追うごとに若くなっていく。
話がそれたしちょっと愚痴っぽいな(笑)。

貧困が美徳だとか、ストイックさからばかり「美」が生まれるというのは嘘だ。いや、それも真実なのかも知れないが、「美」も「醜」もいろいろなところから生み出される。

そう思うおれは完全な逸脱者になることなく「ふり」をすることが求められる。「ふり」は自死することもできないおれにとってのやむを得ぬ「延命装置」になる。

よって今月中旬から1年間、働きます。

これを言うために延々書いてきたわけではありません(笑)。
「生活の態度」シリーズ(?)は、「自律的な自立に向けて」というおれのテーマ(?)へつながる第1歩で、このシリーズは続きます。

ちなみに職場はカンボジアの首都、プノンペン。
6月下旬くらいからはこちら(Life Goes On(カンボジア日記))でカンボジアのことを紹介できたらと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。





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テーマ:タイ・パタヤ - ジャンル:海外情報

この記事に対するコメント


私には出来ない生き方をされているRokumonyaさんが羨ましいです。
カンボジアの首都、プノンペン編、今後楽しみに読ませてもらいます。
写真家Rokumonyaさんのフォトが今から楽しみです。
【2008/06/07 16:49】 URL | ブッサバー #ODZ34eDg [ 編集]


はじめまして。今までもチョコチョコ覗いて楽しく読ませていただいてました。てっきり東京から何か始まるのかと思ってましたが、次はプノンペンで仕事を一年ですか。カンボジアで何を始められるのかわかりませんが楽しみにしてます。
ところで、「趣味の公開」にある「荒野へ」は読まれましたか?以前、感想を求めてブログ内検索したんですが見つからなかったもので。ちなみに私は未読です。
プノンペンに良い音楽の店があると良いですね。
【2008/06/07 22:59】 URL | Loop #yErO6BWs [ 編集]


ブッサバーさん
その実、自分の生活はひどいものです。行き当たりばったりでその場しのぎの連続です(笑)。

写真ですが、かつて映画の修行をしていたころ、師匠に「おまえ、カメラは持つな」といわれました。そんな自分の撮ったものを楽しんでくれる方がいて、うれしいと同時にデジタル・カメラの出現に感謝します。

【2008/06/07 23:12】 URL | Rokumonya #- [ 編集]


Loopさん
いつもありがとうございます。

真実、阿佐ヶ谷が気に入っていまして、ここに留まりたいです。
でも、自分が効率的にお金を得られる仕事の場は、常に第3世界なのです。残念ながら生業ではなくて労働です。

「荒野へ」読みました。いまは、確か文庫本も出ていたと思います。それから、ブログで書く機会を失っていましたが、ショーン・ペンが映画化しました。今年の夏、公開です(観れない・涙)。さすが、「男の中の男」ショーン・ペン!
ぜひ、ご覧になってください。

【2008/06/07 23:18】 URL | Rokumonya #- [ 編集]

プノンペン
プノンペンには数年前、短期間ですが住んでいました。タイ同様に住みやすい街でした。

街全体が碁盤の目のように区画整理され、バンコクとは正反対の整然とした街並みでした。
バイクや車は多いですが、街全体が平坦なので、毎日自転車で街の散策に励みました。
王宮から北側のトンレサップ川に沿ったエリアは、プノンペンとは思えないような欧州風のパブやレストランが立ち並び、バンコクやパタヤにもないような美しい街並みでした。

フンセン君の方針で、風俗施設は縮小され、世界中から集まっていた、やや風変わりな旅人たち(日本では逮捕された特殊趣味愛好者もいましたが)は胡散霧消しました。

プノンペンからバンコクへはエアアジアが1日2便、朝と夕方に飛んでいますので、時間が許せば、毎週末毎にパタヤへ帰還することも可能です。
たった1時間のフライトですから、朝便に乗れば、お昼にはパタヤに到着します。

エアアジアの場合、片道10$、サーチャージを入れても40$程度ですから、往復1万円と負担にならないでしょう。
【2008/06/07 23:54】 URL | SUZUKI #qbIq4rIg [ 編集]


SUZUKIさん

いつも詳しい情報ありがとうございます。
プノンペンには行ったことがありませんので、楽しみです。
それにしてもAir Asia、すばらしいですね。

はやく日本にも飛んで欲しいものです。


【2008/06/08 00:23】 URL | Rokumonya #- [ 編集]


生き残りを懸けて社会にでていくわけですが、現代では民主主義が無条件に良しとされているような風潮を感じます。そして民主主義の基本となるものは「for the people」と「by the people」だと思いますがそれぞれの「people」が違うと思います。前者のはいわゆる強者。後者はその社会に関わる人々。民主主義と法治国家のもとでは、少数の強者と多数のその他になりそれぞれに質的なモノと形式的なモノが対立します。しかしその他が形式を固持することでそれが反って方法となってしまう場合があります。強者の同じ土俵に上がるようなものです。
その同じ土俵ではやはりストレスを感じてしまう人もいるでしょうね。目標は生き抜くこと。それまでは全てにおいて方法だと分かればいつくるかも分からない死までの長い時間は大きな虚無感に包まれることも少なくないような気がします。そんな中、心の平穏の為に必要なものは人それぞれ違うかもしれませんがさほど多くないのではと感じます。
【2008/06/08 20:37】 URL | JUN #- [ 編集]


JUNさん
つい混同したり錯覚したりするように仕組まれてますが、少し慎重に、また、冷静になれば「自分」を守って生くことは可能でしょう。
ココロの平穏のために必要なものが実はそれほど多くないというのは、本当におっしゃるとおりだと思います。


【2008/06/08 22:27】 URL | Rokumonya #- [ 編集]


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不惑の40歳までもう少し
離婚・棄職、糸の切れた凧のように流離う
成人後の20年を、旅とインド圏に費やすこと10年、転居14回の根無し草
そのくせ、映画オタク

現在、パタヤ在住
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