お世話になっている業界の先輩とその付き人(お目付役?)に連れられて六本木に行った。
おそらく7,8年ぶりだ。
当時は助監督業をしていて、やはり先輩の助監督に連れられバーからディスコへとはしごし、フィリピン人の娼婦連中に捕まってヘロヘロに酔い、「六本木ってディープだ」と思った。
昨夜は先輩と付き人が20年来、通っている「LAKI LAKI」というレディボーイ・バーへ。55歳から20歳までの改造済みや未改造のレディー・ボーイが迎えてくれる。
いやー、ちょっとぶっ飛んでしまった(笑)。
なにしろ、日本でこの手の店に入ったことがない。みんなノリノリだ。ショーもなかなか凝っていて、キレイに攻めてきたかと思うと、笑いなりグロもあり、ぜんぜんタイに劣らない。同行者が常連中の常連なので、次々と女の子(男の子)がつき、それぞれがそのキャラに応じて役割を心得ていて飽きさせないし、何しろ気配りが利いていて居心地がいい。
「日本でもこれ、ありなんだ!」
新鮮だった。
ショーの時間になるころには満席である。お客さんたちの表情がユルーくて、ほとんど勤め人風情の人たちばかりだったが、日中の路上やオフィス内との落差が激しい。
そして、なにより「日本語が通じる」(笑)。
もちろん、日本にも「すきま」はまだまだある。そんなこと多くの人が知っているはずだが、ともするとサブカルのようなマニアックな世界になってしまっていて、日常との距離が大きかったりする。
おれもタイじゃパタヤのような、その中でもかなり「すきま」的空間に潜んでいたわけだが、日本では主体的に近づこうとはしなかった。
ここでもレディース・ドリンクがあり、ショーではチップも喜ばれる。
1,000円という単位と100バーツの差は大きい(笑)。1,000円は安いが高い、100バーツは高いが安い(?)。
ボトルにレディース・ドリンク、焼きそばやら唐揚げも食ったが、おれは会計を見せてもらえず、先輩がいくら払ったのかわからない。
もう一軒、こんどはフツーの女性がいるバーをはしごして六本木の路上に出る。
黒人が「トップレス、トップレス」と割引券を押しつけてくる。「1時間5,000円、フリードリンク」と書いてある。ジャマイカンのダンサーもいるらしい。
このあたりは黒人だらけだ。
「どこから来たの?」
「ジャマイカ」
「へぇー、なんでまたこんなところへ」
「金、金…」
別れ際、先輩は「日本もいいだろ。かならず帰ってこいよ」といった。
それにしても、電車を乗り継いで帰るのがたいへんだ。パタヤならどんなにへべれけでも、バイクで10分なのに…。
終電はおれのような酔っぱらいどもですし詰めである。いつだって電車はヒトビトを我に返らせる。
ヒトビトは家庭という巣から職場という巣へ、そして、夜の街へと電車に乗って越境し往還する。あの異質な空間は都市の独特な生活体系を支える特殊な装置なのだ。
複数性は誰もが生きている現実だ。
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