昨日、どうも腹の調子が悪くて早く寝ようと思っていると、Jが「やっぱり働いてみようかしら」という。Ocean10で誘われた黒服のことだ。
まあ、やるもやらぬぬもJ次第。
朝、9時から12時まで美容学校に通い、夜9時から深夜3時半までWSで働く。
ゼッタイ学校に行けなくなると思うが、それもまた、J次第だ。
早速、おめかししてWSへ。

時間は深夜12時前。

まるで時間が停止したかのごとく、今日も昨日も、そして、また、明日も…。
ひとりひとりは入れ替わり、立ち代わり…。でも、WSという総体を見るとデジャブのように同じ繰り返し。
Jもおれもそんなひとりなんだろう。

おれはOcean 10の軒先のオープン・バーでビールを呑み、Jはそのカウンターで応募書類を記入する。やり手婆のような(でも若い)マネージャーが愛想笑いを浮かべながらJにいろいろ説明している。
通りを行き交うヒトビトを眺めながら、説明を聞いているJの様子を伺う。なんだか浮かない顔をしている。

表情が冴えないわけはその労働条件。
月給は10,000バーツ。基本的に出勤は自由だが、「レディース・ドリンク60杯ゲット」というノルマがある。ノルマ未満はペナルティとして給料から天引き。ノルマを超えた分は1杯50バーツが女性の取り分となる。
そして、PBされる、されないは本人の自由。PB代は確認しなかったらしい。
Jは、呑気にも「Welcome〜,Sir」とかいって席に案内して、オーダー取って、あとは笑顔でも振りまいてれば、それで月10,000バーツと思っていたらしい。
ところが、実際は「Hi, Sexy Man!」とかいって甘え、男の前で腰でも振りながら踊って「Buy Drink for me na!」といい、時にはちょっとした「お誘い」まで仕掛けてドリンクをゲットしなければならない。

「いつから働き始めるか、電話してねぇ」とやり手マダムに送り出されたJは、店を出ると条件をおれに説明し、「どう思う?」を連発する。
おれに「やめろ」といわせたいのだ。
それにしても、ただ、客を席に案内してにっこり笑顔で月10,000バーツと思っているJは、おバカさんというか、ヒトがよいというか…。
「あのオンナ、昨日はナニも説明しなかった」などとヒトのせいにしている。
おれに「やめろ」といわせるために芝居を打ってるならたいしたもんだが、「がっかり…」と、もう、まるでやる気はない。
パタヤでは夜の仕事は簡単にゲットできる。ちょっとイケてるオンナならなおさらだ。夕方、職を求めて行って、その晩から働き始めることだって出来る。
でも、それは基本的に「売り」を伴っている。
以前、フツーの仕事をゲットしようとホテルやジュエリーショップを白のワイシャツでまわったJ。惨敗だった。5つくらい面接して、ひとつも声がかからない。たかだか、月給5,000バーツほどの仕事が、そんな状況なのだ。
夜、Jはちょっとだけ泣いた。
おれが甘やかしてしまったのだろうが、彼女はもう、オトコに媚を売る仕事が出来なくなってしまったようだ。はじめてしまえば次第に慣れて、感覚は麻痺する。ある意味、どんな仕事でも同じだ。なんでもなくなる。
でも、独特の恥の文化を持つタイだからこそ、いかにこなれた夜のオネーサンでも「初めの一歩」は重いものがあったんでしょうね。
しつこく「どう思う?」、「妬かないの?」と涙目で迫られたおれは、結局、「やめろ」といわされてしまいました。
うーん、でも、おれはただの風来坊だから…。
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テーマ:タイ・パタヤ - ジャンル:海外情報
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