つい、さっき、スクムビット通りで事故を目撃してしまった。目の前で原チャリが跳ね飛ばされた。
おれをぶち抜いていったHonda Wave 125(ずいぶんでかいタイヤを履いている)が、3車線の一番右側で、ちょっと前方が詰まって減速。同じく前方が詰まった中央車線から右へ流れていったピックアップ・トラックに跳ね飛ばされ、いやな音とともにさらに中央分離帯に激突。運転していた兄ちゃんはくねくねと路上に転がり、動かない。
ほとんど、おれの100メートルくらい前方での出来事でした。
見晴らしのいい一直線道路だがちょうど車線が増えるところ。みんな浮かれて加速するのかな、これまでにも2度、事故直後を通過したことがある。
よく、事故ると身ぐるみはがれるとかいいますが、バイタクだまりの運ちゃんやら、おれの近くを走っていたバイクのおじさんなどがすばやく助けに行った。
まあ、交通量が多く、衆人環視の中での事故だったからかな。深夜なら車はあっさり逃走。取り残されたバイクの兄ちゃんが身ぐるみはがれるってのはありえそうなハナシだ。
おれも止まったが、言葉もろくにわからないし出来ることはない。
車の運転手は、かなり自失していて呆然と突っ立っていた。バイクの兄ちゃん、意識もあるが、ぐったり動かないし、そりゃ、ビビるわ。
まあ、フル・フェイス被っていたし、ダイジョーブだろう。
しかし、ビビるくらいなら「ちゃんと確認してからハンドル切れよ」と思う。方向指示器も出さず、前が詰まったから、自分の車線よりわずか数台、車の少ない右車線へ。とにかく運転がせこい。「あんた、それバイクじゃなくて、4輪でしょ」ってカンジ。
インドじゃ郊外の国道などで、無茶な運転して地元のヒトをはねとばしたりすると、時に、運転手はクルマから引きずりおろされ袋叩きに合う。下手すりゃ殺される。車は焼かれる。だから、事故者は死に物狂いで逃げる。
トラックがヒトをはねて、逃げるのにさらに何人もはねたなんてことはざらだ。バスが集落あたりでヒトをはねて、乗客が運転席を見ると運転手はハンドルを放棄して窓から飛び逃げようとしていたなんてハナシもある。
跳ねられたヤツの身ぐるみ剥ぐより、その方がマシ?って比較に意味はない…。
それほど、車に乗るようなヤツと地べたをはいつくばって歩いたり、チャリに乗っているヤツの差はでかい。違う世界に住んでいるのだ。
タイじゃ、車もバイクの量もインドとは比較にならない。露天商でもクルマ持ってるくらいだから。まあ、だから余計こわい。
貧乏人の命の値段は恐ろしく安い。
安さに閉じ込められているというのも真実だろうが、それゆえ、かえって自ら安売りしてしまうのだ。
今日はバイクに乗るのがこわくなっちまった。
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